目覚まし猫、みーちゃん

今日も早朝、3時過ぎに、枕元にニャア、ニャアと我が家の愛猫が現れる。

まるで目覚ましだ。

寝ていて、目を覚まさない私の顔に鼻をくっ付けてくる。

なんだ、濡れているな。

何だろうとうっすらと、目を開けると、今度は手をがあむと、噛まれる。

痛い。だれだーと、飛び起きる。

目覚まし猫が現れる。毎朝、私を起こしてくれる。

痛い。

何なの。

水がほしいの。

お腹すいたの。

トイレ掃除しろって言ってるの。

ニャアとしか答えてくれない。

三年前に、保護猫で貰って来た猫だけど、前の飼い主さんは、引っ越すとかで、飼育できなくなり、メールで駅で待ち合わせして、暴れる猫を私に子荷物のように渡して車で去って行った。それでも猫には愛情はあったと思う。

たくさん、メールきたけど、貴方が一番、可愛がってくれそうだったからと言われた。それでも、手に余っていたのだろう。

猫の名前も種類も何歳であるかも、言われなかった。駅で、さっと渡され、5分で去って行かれた。毎朝、私を起こす猫に、私は、話しかける。

みーちゃん、あなたは何歳なの。

何処で産まれたの。

お父さんは誰、お母さんは、

兄弟はいるの。

ニャアーとしか、返事はしない。でも、毛が長く、モクモクしてて、手触りがよく、とても、可愛い。里親募集で、掲載されていた写真では、おめめは、ぱっちり、小さな子猫に見えたので、ほしいとメールした人が多かったみたいだけど、駅に現れた猫は、茶色の毛色のせいで、まるで狸か、アライグマに見えた。

暴れて前の飼い主さんの、手をがぶりと噛み、手から血が流れている。その手で猫を渡された。すぐ、引っ越すそうで本当に、せっぱ詰まっていたらしい。

えー。こんな大きな凶暴な猫、貰ってどうしようと思ったけど、一ヶ月もたつと我が子のようにとても可愛い。赤ちゃんみたいだ。

長男もよく、夜泣きして私を起こしてたなと昔を思い出す。

可哀想に一度は前の飼い主さんから、捨てられたと心に傷をもった猫だ。

精一杯、可愛がろう。そして、我が家の立派なお姫様猫となり、我が家の息子や主人、もちろん、私も召し使いとして、こきつかう。ニャアーと鳴いては、すり寄ってきて、遊んでくれ、相手しろと毎日、うるさい。何より、毎朝、目覚ましがいらなくなり、猫が起こしてくれる。猫との暮らしは楽しく、心を癒してくれる可愛く愛しい存在となった。もう一日も離れられない(笑)

枕元に現れては今日もにゃあーと泣く。

さあ、今日も元気に起きて楽しく過ごそう。

みーちゃん、おはよう。